医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Diversity, Equity, and Inclusion Milestones: Creation of a Tool to Evaluate Graduate Medical Education Programs (J Grad Med Educ 2022)

Ravenna PA, Wheat S, El Rayess F, McCrea L 2nd, Martonffy AI, Marshall C, Tepperberg S, Friedman RSC, Barr WB. Diversity, Equity, and Inclusion Milestones: Creation of a Tool to Evaluate Graduate Medical Education Programs. J Grad Med Educ. 2022;14:166-170.

背景:ACGME(Accreditation Council for Graduate Medical Education)が多様性、公平性、包括性(diversity, equity, and inclusion; DEI)に関する取り組みの報告をプログラムに求め始めたとき、プログラム責任者は自らのプログラムを評価し変化を測定する準備が整っていないと感じていた。本研究の目的は、卒後医学教育(GME)プログラムにおいて、レジデンシー内のDEIの現状を評価し、必要な領域を特定し、進捗状況を確認するためのツールを開発すること、家庭医療研修プログラムにおいてこの評価方法を用いることの実現可能性を評価すること、そして家庭医療レジデンシープログラムにおいてこれらのマイルストーンを実施したパイロットデータを分析し報告することである。

方法:The Association of Family Medicine Residency Directors (AFMRD) Diversity and Health Equity (DHE) Task Force は、ACGME Milestones をモデルとしたプログラムのDEI評価のためのツールを開発した。これらのマイルストーンは、5つの主要なドメインにおけるDEI評価に焦点を当てている。このマイルストーンは、制度、カリキュラム、評価、レジデント人事、および教員人事の5つの重要な領域におけるDEI評価に焦点を当てている。このマイルストーンの最終案を作成した後、AFMRD DHEタスクフォースのメンバー 10 名の便宜的サンプルにより、各自のプログラムに対してマイルストーンの試験的な実施が行われた。

結果:すべてのマイルストーンのスコアは、調査対象のプログラムによって大きく異なっていた。平均スコアが最も高かったのはカリキュラムのマイルストーン(2.65)、最も低かったのは教員人事のマイルストーン(2.0)であった。マイルストーンの評価は、様々な方法を用いて、10~40分以内に完了した。

結論:AFMRD DEI マイルストーンは、プログラムの評価、目標設定、およびレジデンシー・プログラム内のDEIに関する進捗の追跡のために開発された。このマイルストーンは、家庭医療の教員メンバーが様々な環境で容易に使用できることが、試験的に実施された結果示された。