医学教育研究者・総合診療医のブログ

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An Empirical Investigation Into Milestones Factor Structure Using National Data Derived From Clinical Competency Committees (Acad Med 2021)

Yamazaki K, Holmboe ES, Hamstra SJ. An Empirical Investigation Into Milestones Factor Structure Using National Data Derived From Clinical Competency Committees. Acad Med. 2021 Jun 29. Epub ahead of print.

背景:単一の専門分野における臨床能力委員会 (clinical competency committee; CCC)の評価から得られたマイルストーンデータが、6つの一般的な能力ドメインの枠組みを反映しているかどうかを調査する。

方法:著者らは、2018年7月1日から2019年6月30日までの、米国ACGME認定のカテゴリー別産婦人科 (OBGYN)プログラム全275件のマイルストーン評価を調査した。サンプルサイズは、4つの卒後年 (PGY)、それぞれ2つの評価期間に渡る275プログラムの1,371人から1,438人のレジデントを対象とした。産婦人科マイルストーン報告書は、6つの一般的なコンピテンシードメインの下に28のサブコンピテンシーで構成されていた。マイルストーンの評価は、各プログラムのCCCによって決定された。各サブコンピテンシーについて、PGY別、評価期間別にintraclass correlations (ICC)とデザイン効果 (design effects)を算出した。マルチレベル確証的因子分析 (CFA)の観点から、プールされたプログラム内共分散行列を得て、6領域因子モデルの適合性を他の3つの妥当なモデルと比較した。

結果:5,618名の産婦人科医のマイルストーン評価を調べた。中程度から高いICCと2.0を超えるデザイン効果は、両評価期間のすべてのサブコンピテンシーに見られ、マイルストーンデータにCFAを適用する際にマルチレベルアプローチを使用することが正当化された。6つの一般的なコンピテンシードメインを使用し、PCドメイン内の3つの因子(産科技術スキル、婦人科技術スキル、外来診療)を含む、理論的に支援された分割患者ケア(PC)因子モデルは、1つを除いたすべてのPGYと評価期間の条件において、一貫して最も適合度の高いモデルとして示された。

結論:今回の研究結果から、CCCは評価プロセスにおいて6つの一般的なコンピテンシードメインの枠組みを使用することに加えて、PCコンピテンシードメインをさらに3つの意味のある因子に区別していた可能性があることが示された。本研究は、一つの専門分野におけるマイルストーンの内部構造の妥当性を示すものであり、マイルストーンに埋め込まれた特徴的な内容に対するCCCの理解を明らかにするものであると考えられる。