医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Extending growth curves: a trajectory monitoring approach to identification and interventions in struggling medical student learners (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

Landoll RR, Bennion LD, Maranich AM, Hemmer PA, Torre D, Schreiber-Gregory DN, Durning SJ, Dong T. Extending growth curves: a trajectory monitoring approach to identification and interventions in struggling medical student learners. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Apr 25. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、学習困難な学習者の特定と目標に合わせた介入の両方にギャップがあるため、この成績の視覚表現を用いて学習者の迅速な特定と個別の学習指導を改善することである。

方法:3つの卒業クラスにおいて、各学生の臨床実習前のNational Board of Medical Examinersカスタマイズ評価において、各評価ポイントにおけるクラス平均からの偏差値を用いて、個々の成長曲線を算出した。これらの偏差値は累積的に合計され、試験の順番に回帰された。我々は、学習困難者を特定した後の学習者の軌跡を探るために、学業一時保護観察(Academic Probation=成績不振を理由とする謹慎処分)に入った生徒と入らなかった生徒の回帰の傾きの違い、また、学習困難者がAPに入った時期による傾きの違いを分析した。

結果:APになった生徒の平均成長率は-6.06であったのに対し、APにならなかった生徒は+0.89であった。また、臨床実習前の早い時期にAPになった学生は、カリキュラムの後半に識別された学生に比べ、著しい改善(軌道のポジティブな変化)を示したことが示唆された。

結論:我々の知見は、早期の学業保護観察と困難な学習者への介入が、学業上の軌道にプラスの影響を与える可能性を示唆している。今後の研究では、学生との助言セッションにおいて、学業軌道のモニタリングと成績の見直しをどのように定期的に行うことができるかをより深く追求することができる。