医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Patients' perceptions of patient-centered communication with healthcare providers and associated factors in Japan - The INFORM Study 2020 (Patient Educ Couns 2024)

Okamura M, Fujimori M, Otsuki A, Saito J, Yaguchi-Saito A, Kuchiba A, Uchitomi Y, Shimazu T. Patients' perceptions of patient-centered communication with healthcare providers and associated factors in Japan - The INFORM Study 2020. Patient Educ Couns. 2024;122:108170.

背景:本研究の目的は、日本における医療提供者とのコミュニケーションにおける患者中心性に関する患者の認識について述べ、これらの認識と関連する要因を検討することである。

方法:日本における健康情報アクセスに関する全国調査であるINFORM Study 2020の横断データを分析した。計3605名の回答者が調査に回答した。主要評価項目は、患者中心のコミュニケーション尺度(patient-centered communication scale; PCCS)の9要素であり、12ヶ月以内に少なくとも1回の医療機関受診を報告した2703人(75.0%)から集計した。PCCSは4段階のリッカート尺度(いつも、通常は、時々、全く)で評価された。二項ロジスティック回帰を用いて、社会人口統計学的変数および健康関連変数とPCCSの各要素との関連を検討した。

結果:すべての要素において、医療提供者が常に患者中心の方法でコミュニケーションをとっていると回答した割合は低かった(17–31%)。年齢が高いほど、教育水準が高いほど、一般的な健康状態が悪いほど、また過去12ヵ月間に医療機関を受診した回数が多いほど、肯定的な認識を持つ傾向が強かった。

結論:日本の全国サンプルで報告された患者中心のコミュニケーションは低かった。健康アウトカムを最適化するために、日本では患者-医療者間のコミュニケーションの患者中心性を改善する努力が必要である。