Jiang S, Wu Z, Zhang X, Ji Y, Xu J, Liu P, Liu Y, Zheng J, Zhao L, Chen J. How does patient-centered communication influence patient trust?: The roles of patient participation and patient preference. Patient Educ Couns. 2024;122:108161.
背景:本研究の目的は、患者中心のコミュニケーション、患者の参加、患者の嗜好が患者の信頼に及ぼす影響を、中国の状況において検討することである。
方法:中国のがん患者217人を対象に横断調査を実施した。調査変数間の関係を検討するために、mediation and moderation analysesを行った。
結果:第1に、患者中心のコミュニケーションは意思決定への患者の参加を増やし、ひいては患者の信頼を高めた。第2に、患者中心のコミュニケーションは患者の信頼に直接的な影響を及ぼさなかった。第三に、患者が意思決定において受動的な役割を好むことは、患者の参加と患者の信頼との関係を弱めた。
結論:この結果は、患者中心のコミュニケーションを患者の信頼に結びつけるうえで、患者の参加を促進することが大きな効果を持つことを強調するものである。しかし、医療コミュニケーションは、意思決定プロセスにおける患者の好みの役割にも対応すべきである。医師は患者に質問や懸念を表明する機会を提供すべきである。また、患者の嗜好や価値観を尊重するために、患者に参加を呼びかける前に、患者がどの程度の関与を望んでいるかを評価すべきである。