医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Observation tool to measure patient-centered behaviors on rounds in an academic medical center (Med Educ Online 2022)

Sharp M, Williams N, Tackett S, Hanyok LA, Christmas C, Rand CS, Ziegelstein RC, Record JD. Observation tool to measure patient-centered behaviors on rounds in an academic medical center. Med Educ Online. 2022;27:2024115.

背景:質改善プロジェクトの一環として、患者中心ケア(PCC)チームと標準チーム(ST)の回診における患者中心行動の頻度を評価するために、毎日の回診時の患者中心行動を測定する観察チェックリストを作成し、採用した。

方法:ハウススタッフがローテーションしている都市部のアカデミック・メディカル・センターの4つの総合診療科(GMS)教育チームにおいて、観察用チェックリストを活用し、入院患者の毎日の回診における8つの行動の発生を評価した。チェックリストは、患者中心のコミュニケーション、エチケットに基づく行動、意思決定の共有の領域をカバーするものである。あるGMSチームでは、患者中心のコミュニケーション戦略を強調するPCCカリキュラムが指導されているが、ベッドサイド回診での行動は特に強調されていない。

結果:2018年8月から2019年5月の間に、訓練を受けた観察者がチェックリストを用いて患者回診のエンカウンターを448回観察した。すべてのチームにおいて、8つの行動のうち46.0%が可能な限り行われ、PCCチーム(58.0%)はST(42.0%)よりも多く行われた(p < 0.01)。

結論:日常回診における患者中心の行動の実行率は全体的に低かった。回診に関する特別な指導がないにもかかわらず、PCCカリキュラムに参加しているチームでは、患者中心の行動がより頻繁に行われていた。しかし、観察された行動の頻度は低く、回診行動を変えるためのより明確な取り組みが必要であることが示唆された。今回の観察用チェックリストは、今後の回診における患者中心の行動を改善するための介入を支援するツールとなる可能性がある。