医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Navigating between two figured worlds: A constructivist grounded theory study on residents' workplace experiences with health care management tasks (Med Educ 2024)

Delgadillo-Sánchez V, Aluja-Jaramillo F, Olmos-Vega F. Navigating between two figured worlds: A constructivist grounded theory study on residents' workplace experiences with health care management tasks. Med Educ. 2024 Jan 25. Epub ahead of print.

背景:レジデントは、臨床業務と並行してhealth care management (HCM)業務をこなさなければならない場合がある。しかし、レジデントが職場でどのようにHCMスキルを習得し、その経験が彼らの学習にどのような影響を与えるかについての研究はほとんどなされていない。

方法:我々は、Figured World theoryに基づく構成主義的グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて質的研究を行った。データを収集するために、ポンティフィシア・ハベリアナ大学の様々な専門分野と学習レベルに属する22名のレジデントを対象に、フォーカスグループを開催し、半構造化面接を行った。反復的なデータ収集と分析、定比例法、理論的サンプリングを活用して、調査結果を構築した。

結果:我々は、レジデントがHCMスキルをどのように習得するかを表すために、非管理医師と管理医師という2つの異なる世界を構築した。前者は、レジデントのトレーニングの一環としてのHCM業務の役割を過小評価し、医療チームとの否定的な相互作用が多く、レジデントの主体性を制限する言説によって特徴づけられていた。後者では、て自伝とは医療チームのメンバーと協力し学び、日々の活動にHCM業務をどのように取り入れるかを手本とする指導医がおり、レジデントの主体性が拡大した。レジデントは、自分たちが導入された世界に従って、専門職としてのアイデンティティを確立していった。

結論:教育指導者は、非管理医師像の世界が、この種の業務を遂行する際に、レジデントに根こそぎ奪われるような感覚と不快感を与えることを理解しなければならない。このような世界を管理医師に変えるためには、職場のヒエラルキーを再構築し、職種間の連携を強化し、影響力のあるロールモデルが広めている言説を変える必要がある。指導医はまた、HCMに関する知識を強化し、臨床実践への統合を改善しなければならない。HCMコンピテンシーについてレジデントを訓練する努力も、職場が患者ケアにおけるHCMの価値を強調するものでなければ、水の泡となりかねない。