医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Medical education research study quality instrument: an objective instrument susceptible to subjectivity (Med Educ Online 2024)

Jaros S, Beck Dallaghan G. Medical education research study quality instrument: an objective instrument susceptible to subjectivity. Med Educ Online. 2024;29:2308359.

背景:医学教育研究の質評価ツール(MERSQI)は、研究デザイン基準に基づいて医学教育研究の質を評価するためにデザインされた。このようなツールの多くがそうであるように、結果を適用すると意図しない結果を招く可能性がある。本研究では、MERSQIを書誌学的分析で同定された公表済みの医学教育研究に適用した。

方法:計量書誌学的分析により、2人の著者が独立してMERSQIを用いて評価した医学教育における高被引用論文を同定した。重複論文や非研究論文をスクリーニングした後、著者らは21の論文についてMERSQIを用いてレビューを行った。最初に5つの論文を独立にレビューし、その結果を比較することで、評価項目に対する理解の一致を確認した。残りの論文も独立してレビューした。論文の総合得点はpaired samples t-testで分析し、個々の項目の評価は評価者間の信頼性を分析した。

結果:平均MERSQIスコアには査読者間で有意差があった。MERSQI項目の評価者間信頼性は、回答率、妥当性、アウトカムについて許容できないものであった。

結論:これらの結果から、MERSQI項目は解釈によって大きく影響され、採点に差が生じる可能性があることが示された。MERSQIは研究方法論を特定するための有用な指針である。しかし、現在の形式で医学教育研究方法論の全体的な質の判断に用いるべきではない。著者らは、より明瞭で正確なものにするために、この尺度をどのように改訂できるかについて具体的な提言を行っている。