医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Supervising the senior medical resident: entrusting the role, supporting the tasks (Med Educ 2022)

Hatala R, Ginsburg S, Gauthier S, Melvin L, Taylor D, Gingerich A. Supervising the senior medical resident: entrusting the role, supporting the tasks. Med Educ. 2022 Jul 22. Epub ahead of print.

背景:卒後コンピテンシーベースの医学教育では、委託に基づく評価に依存したプログラム評価が実施されてきた。しかし、内科のような手続き志向の低い専門分野では、委託と監督との関係は不明確なままである。本研究では、内科の指導医が急性期病棟でシニアレジデントを指導する際に、レジデントへの委託をどのように概念化しているのかを明らかにすることを目的とした。

方法:構成主義的グラウンデッド・セオリーに基づいて、カナダの3つの大学の入院病棟で内科シニアレジデントを定期的に指導している医師19名にインタビューを行った。データ収集と分析の反復サイクルを通じて、定比較プロセスを用いて理論モデルを構築した。

結果:内科病棟では、シニアレジデントの役割は、基本的に管理的であり、指導医の役割の初歩的なバージョンと見なされている。指導医は、初期の「ハンズオン」による評価期間と、その後の自立を促すための緩やかな支援の取り下げを通じて、上級の役割を担うレジデントを信頼するようになる。委託を検討する際、監督者は、個々の作業の委託とは対照的に、シニアレジデントの役割の特定の範囲を委託することに重点を置いていた。また、任された役割の範囲に関わらず、監督者は特定の作業を支援するために踏み込んだり下がったりすることがあった。

結論:急性期病棟における監督者の踏み込みと踏み戻しは、シニアレジデントの役割の特定の範囲を任せることと矛盾した関係にある。この文脈では、委託に基づく評価は、指導医がシニアレジデントの役割を委託しているという全体的な視点をより多く捉える必要があるであろう。レジデントの役割に対する比較的静的な全体的支援から、特定の患者ケアタスクのための流動的な介入まで、監督のダンスを理解することで、監督関係の余裕とそれを評価に活用する方法について洞察することができる。