Rassos J, Ginsburg S, Stalmeijer RE, Melvin LJ. The Senior Medical Resident's New Role in Assessment in Internal Medicine. Acad Med. 2021 Dec 7. Epub ahead of print.
背景:コンピテンシーベースの医学教育(CBME)の導入に伴い、シニアレジデントは後輩の評価を完了するという新たな正式な役割を担うことになった。しかし、entrustable professional activities (EPAs)とCBMEの文脈におけるニアピア (near-peer)評価の役割を調査した先行研究はない。本研究では、EPAsの文脈におけるニアピア・フィードバックと評価に対する内科レジデントの認識を調査した。
方法:2019年9月から2020年3月にかけて、カナダ・オンタリオ州トロントにあるトロント大学の内科レジデント16名(1年目レジデント8名、2年目・3年目レジデント8名)に対して、半構造化インタビューを実施した。インタビューは、構成主義的なグラウンデッド・セオリー・アプローチのなかで、理論的飽和に達するまで反復的に行われ、コーディングされた。
結果:シニアレジデントは、EPAsを完了する際に、コーチとアセッサーの2つの役割に緊張感を感じていた。シニアレジデントは、学習者を怒らせないように、またチームの活力を損なわないようにジュニアレジデントとの関係を管理し、しばしば誇張されたEPAsを記録することになった。ジュニアレジデントは、シニアレジデントが信頼できるフィードバックの提供者であると考えていたが、シニアレジデントが評価者として信頼できるとは考えていなかった。
結論:EPA は正式なフィードバックの場であるにもかかわらず、シニアレジデントは、評価の決定が同僚の全体的な総括的決定に影響を与える可能性があることを知りながら、建設的なフィードバックコメ ントを含めることに苦労していた。その結果、EPA評価が高くなることが多かった。シニアレジデントが評価者を務めることの有用性を再検討する必要がある。なぜなら、この新しい役割は、シニアレジデントがコーチとしてのみ機能することの利点を奪ってしまったのではないかと懸念されるからである。