医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Struggles and Joys: A Mixed Methods Study of the Artefacts and Reflections in Medical Student Portfolios (Perspect Med Educ 2024)

McDonald J, Hu W, Heeneman S. Struggles and Joys: A Mixed Methods Study of the Artefacts and Reflections in Medical Student Portfolios. Perspect Med Educ. 2024;3:1-11.

背景:ポートフォリオは、学生が学習計画を立てられるように、経験を振り返るための足場となる。内省を促すためには、ポートフォリオに記録される学習経験が有意義なものでなければならない。医学部1年生と2年生がどのような経験を有意義と感じるかを理解するために、我々はポートフォリオに選ばれた成果物とそれに関連する振り返り文のパターンを研究した。

方法:37名の医学生ポートフォリオから得られた835の成果物からなる縦断的データセットを対象としたこの説明的混合法研究では、時間経過に伴う成果物の種類のパターンを明らかにした。混合モデルロジスティック回帰分析により、最も一般的なタイプの成果物を含めることに関連する時間、学生、カリキュラムの要因を特定した。参加者の成果物についての考察をテーマ分析することで、彼らの選択についての洞察が得られた。統合された知見の解釈は、変容的学習(Transformative Learning:TL)理論に基づいて行われた。

結果:成果物の選択は、カリキュラムの変更や個人的要因に影響され、時間の経過とともに変化した。1年次で最も一般的だったのは、問題解決型学習の仕組み図や、授業中のグループ写真であった。2年次では、社会活動や臨床活動を表す課題文と「自撮り写真」であった。振り返り文のテーマは、「ランドマークと進歩」、「苦労と戦略」、「つながりと協力」、「バランスをとるための楽しい思い出」であった。コースワークの成果物や写真の自画像は、カリキュラム全体からあらゆるレベルの変容的学習を表していた。

結論:医学生は、困難な経験や画期的な経験を表す遺物を選び、喜びや仲間とのつながりを育んだ経験とバランスをとっていた。目新しさは選択に影響を与えた。学びを最大化するために、学生はあらゆる経験から引き出し、指導教官とのサポート付きで内省を促すべきである。課題は、新しい課題の導入とタイミングを合わせるべきである。