医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Questions directed to children with diverse communicative competencies in paediatric healthcare consultations (Patient Educ Couns 2023)

Watts J, Ekberg S, Bluebond-Langner M, Langner R, Fleming S, Danby S, Ekberg K, Yates P, Bradford N, Delaney A, Herbert A. Questions directed to children with diverse communicative competencies in paediatric healthcare consultations. Patient Educ Couns. 2023 Dec 13:108103. Epub ahead of print.

背景:本稿では、言語以外のコミュニケーション手段で交流していると思われる小児患者に対して、臨床医が質問を投げかける質問応答系列について検討する。

方法:会話分析法を用いて、46件の小児緩和ケア診察における質問を調査した。これらの質問は、観察的に発声や身体化されたコミュニケーション様式(視線、ジェスチャー、表情など)を用いるが、言語様式を用いないように見える小児に向けられたものであった。

結果:ほとんどの質問は、提案された次の活動に対する意欲や好み、あるいは現在の感情、経験、意図について子どもに尋ねていた。質問は、子どもの好みや感情を前景化することで、子どもに関わっていた。これらの質問は、子どもの声や身体的な行動が関連した反応として扱われる文脈を引き起こした。

結論:本論文は、子どもが言葉以外のコミュニケーション手段で対話する場合であっても、子ども自身の医療に関する相談にどのように質問が用いられ、子どもの意見がどのように臨床医や家族に理解されるかを示している。質問は、言葉でコミュニケーションをとる子どもにも、とらない子どもにもできる。質問をする際、臨床家は個々の子どもがどのようなコミュニケーション手段を使っているかに留意し、子どもがどのように答えるのが有意義かを考えるべきである。