医学教育研究者・総合診療医のブログ

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A systematic scoping review of patient and caregiver self-report measures of satisfaction with clinicians' communication (Patient Educ Couns 2023)

Wollney EN, Vasquez TS, Fisher CL, Armstrong MJ, Paige SR, Alpert J, Bylund CL. A systematic scoping review of patient and caregiver self-report measures of satisfaction with clinicians' communication. Patient Educ Couns. 2023 Sep 18;117:107976. Epub ahead of print.

背景:我々は、臨床医のコミュニケーションに対する患者および/または介護者の満足度を測定するために使用される自己報告ツールの系統的スコーピング・レビューを実施した。目的は以下の通りである: 1) コミュニケーションの満足度を測定するために使用された尺度、2) 測定法におけるコミュニケーション項目の内容。

方法:2つのデータベース(PubMedおよびCINAHL)を用いて関連研究を検索した。対象としたのは、生物医学的医療環境における臨床医のコミュニケーションに対する満足度を評価する患者または介護者の自己報告ツールであり、測定法の使用目的がコミュニケーション満足度の評価に関わるものであること、および測定法にこのことに関する複数の質問が含まれていることであった。すべてのデータは著者らが作成した書式に記録された。

結果:228の研究が全文スクリーニングされ、85の研究がレビューに含まれた。85件の研究のうち、コミュニケーション満足度を測定するために使用されたツールは53種類であり、そのうち29種類は以前から使用されていたもの(例:FS-ICU-24、CAHPS)、24種類は著者らが独自に開発したものであった。コミュニケーション満足度項目の内容には、内容別のコミュニケーションに対する満足度、臨床医の対人コミュニケーションスキル、適切な環境を整えるためのコミュニケーション、およびグローバルなコミュニケーション満足度項目が含まれていた。

結論:測定項目の数や内容の種類にはばらつきがあった。測定法を改善するためにコミュニケーション満足度をよりよく概念化し、コミュニケーション満足度の複雑な要因を捉えるために、より強固な測定法を作成すべきである。
臨床医のコミュニケーションに対する満足度の厳密な評価を作成することは、コミュニケーション研究とコミュニケーション介入の評価の強化に役立つであろう。