医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Training healthcare professionals to be ready for practice in an era of social distancing: a realist evaluation (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2023)

Lefroy J, Bialan J, Moult A, Hay F, Stapleton C, Thompson J, Diggory K, Mustafa N, Farrington J, Aynsley SA, Jacklin S, Winterton A, Cope N. Training healthcare professionals to be ready for practice in an era of social distancing: a realist evaluation. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Dec 8. Epub ahead of print.

背景:COVID-19パンデミックによるプログラムの変更は、医療専門職の学生の実践準備にさまざまな影響を与えている。このようなばらつきを説明するには、調査が必要である。本研究の目的は、社会的に距離のある制約のなかで、どのような臨床学習が有効であったか、またその理由(あるいはそうでなかった理由)を理解することである。

方法:2020-21年に英国のある大学で行われた卒前ヘルスケアプログラムのリアリスト評価を実施した。本研究で検証する最初のプログラム理論は、パンデミックによって実施された変更に関するプログラムリーダーとの議論から導き出された。研究参加者は学生と教員である。オンラインインタビューの記録はコード化され、介入策がうまくいった理由やうまくいかなかった理由が特定された。その結果、各介入に関する「文脈-メカニズム-結果」(CMO)声明が得られた。その結果、当初のプログラム理論が洗練された。

結果:29名の学生と22名の教員が参加した。臨床スキル学習に関連する18のCMO構成と、臨床実習に関連する25のCMO構成が確認された。臨床スキル学習は、対面式、遠隔式、ハイブリッド式のいずれであっても、「実演-説明-メンタルリハーサル-試行とフィードバック」のステップを踏めば成功した。うまくいかなかった場合は、たいてい観察と修正フィードバックが不足していた。実習は、学生の経験においていくつかの欠点があるにもかかわらず、概して高く評価された。実習先で役に立つことは、実践への良い準備になると感じられた。

結論:学生数が拡大するのであれば、臨床スキルの遠隔学習で何が有効か、また臨床現場での活動への様々な導入方法の価値についての知見も、パンデミック後に関連してくるかもしれない。