医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Physician Work-Personal Intersection: A Scoping Review of Terms, Definitions, and Measures (Acad Med 2023)

Webber S, Semia S, Nacht CL, Garcia S, Kloster H, Vellardita L, Kieren MQ, Kelly MM. Physician Work-Personal Intersection: A Scoping Review of Terms, Definitions, and Measures. Acad Med. 2023 Dec 1. Epub ahead of print.

背景:医師の仕事と私生活と、医療の質とコスト、労働力の持続可能性と職場の安全文化と交差点の間の多面的な関係を説明するエビデンスは数多く存在する。しかし、医師の仕事と私生活の交差点(WPI)研究で使用される用語、定義、尺度について明確なコンセンサスは得られていない。このスコーピングレビューでは、研究者が医師のWPIを記述するために使用している用語や定義を記述し、使用されている測定ツールを要約し、今後の研究に役立つWPIの概念モデルを策定することを目的とした。

方法:著者らは、PubMed, CINAHL, Scopus, Web of Scienceにおいて、1990年1月~2022年3月に米国の実践医のWPIを調査し、アウトカムとしてWPIを測定した研究を検索した。著者らは、対象研究に含まれるすべてのWPI用語、定義、調査質問またはプロンプトにテーマ分析を適用し、医師のWPIの概念モデルを作成した。

結果:最終的に102の研究が最終分析に含まれた。最もよく使われたWPI用語は、ワーク・ライフ・バランス、ワーク・ライフ・インテグレーション、ワーク・ホームまたはワーク・ライフ・コンフリクトであった。研究間で用語の定義に一貫性はなかった。WPIの測定方法には異質性があり、検証された測定ツールを用いた研究は8件(7.8%)のみであった。著者らは、WPIの6つの主要なドライバー領域を特定した:仕事と個人的な要求; 同僚と組織の支援と資源; 個人的なアイデンティティ、役割、健康、価値観; 仕事のスケジュールと柔軟性; パートナーと家族の支援; 個人的で専門的な戦略。

結論:著者らは、医師のWPIを研究するために使用される用語、定義、尺度には大きなばらつきがあることを発見した。著者らは、今後、より一貫して医師のWPIを研究するために使用できるWPI概念のモデルを提示している。今後の研究では、このモデルの妥当性をさらに調査し、WPIの用語、定義、尺度に関するコンセンサスを得る必要がある。