医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Effects of simulation in improving the self-confidence of student nurses in clinical practice: a systematic review (BMC Med Educ 2023)

Alrashidi N, Pasay An E, Alrashedi MS, Alqarni AS, Gonzales F, Bassuni EM, Pangket P, Estadilla L, Benjamin LS, Ahmed KE. Effects of simulation in improving the self-confidence of student nurses in clinical practice: a systematic review. BMC Med Educ. 2023;23:815.

背景:過去の文献からシミュレーションの肯定的な影響を考慮することは、看護学校においてシミュレーションを価値ある教育戦略として捉えることを教育者に促す可能性がある。本文献レビューは、シミュレーションの利用が臨床実習中の卒前看護師の自信を向上させるかどうかを調査することを目的とする。

方法:本研究は文献ベースのデザインを採用した。CINAHL、EBSCO、ProQuest、PubMed、Medlineの5つの学術データベースを利用し、適切なキーワードとブール演算子を用いて関連研究を抽出した。過去15年間(2005~2020年)に発表された研究を検索対象とした。除外基準と包含基準を用いて研究を検索した。Critical Appraisal Skills Programme(CASP)を用いて研究を批判的に評価した。

結果:合計15件の一次研究がレビューのために抽出された。レビューの結果、4つの主要なテーマが浮かびあがった: 臨床業務を遂行する自信の向上、チームで働く能力の向上、地域業務を遂行する自信の向上、患者やチームメンバーとのコミュニケーションにおける自信の向上である。

結論:臨床シミュレーションは、看護学生の臨床業務の遂行、臨床判断、患者やチームメンバーとのコミュニケーション、チームワークの向上に対する自信を高めるうえで有用なツールである。患者が受けるケアの質を向上させるために、サウジアラビアの看護カリキュラムに臨床シミュレーションを組み込むことが推奨される。学生の自信を高めることは、臨床業務を遂行するうえでの自信につながることが示されている。