医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

The influence of psychological safety on feedback conversations in general practice training (Med Educ 2022)

Ajjawi R, Bearman M, Sheldrake M, Brumpton K, O'Shannessy M, Dick ML, French M, Noble C. The influence of psychological safety on feedback conversations in general practice training. Med Educ. 2022 Jul 19. Epub ahead of print.

背景:研修生の心理的安全性を高めることは、効果的なフィードバック会話に必要であると認識されるようになってきている。新しい文献では、ピアラーニング、フォーマルフィードバック、シミュレーションディブリーフにおける心理的安全性について検討されている。しかし、臨床場面における心理的安全性の高いフィードバック会話に必要な条件や、その後のフィードバックへの影響については、これまで調査されていない。

方法:地方の総合診療研修生12名を対象に、インタビューと縦断的なオーディオダイアリーを用いた質的研究を行った。データは、データ全体の要因を特定するためのフレームワークテーマ分析と、フィードバック会話に関する判断における要因の動的な交錯の例示的なヴィネットを用いた個々の参加者のケーススタディとして分析された。

結果:日常的なフィードバック会話において、心理的安全性に寄与する個人的要因(例:自信、助けを求めることへの安心感)、対人的要因(例:信頼、関係)、社会文化的要因(例:地方に住み、働いている)の影響を明らかにすることができた。複数の要因がフィードバック会話において相互に作用し、登録者は1つの場所、1つの時間においても安全であると感じたり、安全でないと感じたりする可能性があることがわかった。

結論:参加者は、複数の肯定的な対人関係因子が存在するにもかかわらず、患者の即時ケアに関連する認可されたシステムの会話に教育担当者と関わることは心理的に安全と感じ、患者にあまり関係のないパフォーマンスの会話に関わることは安全でないと感じていることが示された。安全な「コンテナ」(収容空間)という概念は、卒後研修の非公式かつ創発的な空間におけるパフォーマンスに関するフィードバック会話に関しては、おそらく理想的なものである。臨床環境におけるフィードバックの会話にどのような制裁を加えることができるかを理解するために、さらなる研究が必要である。