医学教育研究者・総合診療医のブログ

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The Aging Care 5Ms Competencies: A Modified Delphi Study to Revise Medical Student Competencies for the Care of Older Adults (Acad Med 2023)

Yogaparan T, Burrell A, Talbot-Hamon C, Sadowski CA, Grief C, MacDonald E, Thain J, Ng KA, Khoury L, Moran M, Feldman S, Lustgarten S, Bach TV. The Aging Care 5Ms Competencies: A Modified Delphi Study to Revise Medical Student Competencies for the Care of Older Adults. Acad Med. 2023 Oct 19. Epub ahead of print.

背景:本研究の目的は、2009年カナダ老年医学会(CGS)の「カナダ医学生のための高齢者ケアにおける中核的能力(Core Competencies in Care of Older Persons for Canadian Medical Students)」を改訂することである。

方法:ワーキンググループは、コンピテンシーの開発と構成に老年医学5MsモデルとCanMEDSフレームワークを選択した。全国(すなわちカナダ)のデルファイ参加者を募集し、2019年から2021年にかけて3回のデルファイ調査を実施した。各調査ラウンドでは、7段階のリッカート尺度(LS)を用いた定量的データと、自由記述コメントを用いた定性的データを収集した。第1ラウンドの目的は、提案されたコンピテンシー(13のサブセクションに分類)の構成要素の重要性を確立し、追加テーマを特定することであった。第2ラウンドでは、提案された31のコンピテンシーを7つのテーマ(加齢、高齢者のケア、心、移動、薬、多複雑性、最も重要なこと)に分類し、その一致度を評価した。3回目の調査では、コンピテンシーをさらに修正した後の同意レベルを評価した。最終的な33のコンピテンシーは、外部からの検証のために、調査参加者と他の利害関係者に共有され、フィードバックされた。

結果:第1回調査における13のコンピテンシー構成サブセクションの重要性に関する平均LSは5.11~6.54で、合意レベルは73~93%であった。質的なコメントから新たなテーマが浮かびあがった。第2回調査における31のコンピテンシーの平均LSは、5.57~6.81で、一致度は80~97%であった。3回目の調査で改訂されたコンピテンシーの平均LSは5.83~6.65で、合意レベルは83~95%であった。

結論:著者らはコンセンサスプロセスを用いて、カナダの医学生のための33のエイジングケア5Msコンピテンシーを開発した。このコンピテンシーは医学教育、ひいては社会における重要なニーズを満たすものである。著者らは、このコンピテンシーが、他の専門分野を含め、意図的な統合や協力を通じて、既存の医学部カリキュラムに織り込まれることを強く信じている。