医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

To prove or improve? Examining how paradoxical tensions shape evaluation practices in accreditation contexts (Med Educ 2023)

Onyura B, Fisher AJ, Wu Q, Rajkumar S, Chapagain S, Nassuna J, Rojas D, Nirula L. To prove or improve? Examining how paradoxical tensions shape evaluation practices in accreditation contexts. Med Educ. 2023 Sep 19. Epub ahead of print.

背景:健康科学の分野では、プログラム評価が日常的に行われるようになってきているが、保健医療専門職教育における評価業務の範囲と質を形成する要因に関する研究はほとんどない。本研究では、評価が実施される背景が、実施可能な評価の種類にどのような影響を与えるかを研究することで、このギャップを解決する。アクレディテーションの文脈に焦点を当て、評価の主導者が、アクレディテーションに関連する文脈的な要求との関連において、評価の理想やベストプラクティスを検討する際に表面化する逆説的な緊張のタイプを批判的に検討する。

方法:方法は質的で、批判的リアリズムのパラダイムに基づいた。研究参加者は、評価業務の責任と監督を必要とする役割を担う29名である。彼らは4つの地域にまたがり、26の健康科学機関で働いていた。データは半構造化面接によって収集され、フレームワーク分析とマトリックス分析によって分析された。

結果:我々は3つの包括的なテーマを特定した:(i) 評価の実践に関する集団的な一貫性の欠如、(ii) 専門性の無力化、(iii) 日常的な実践としての緊張。評価作業における後者の緊張の例としては、(i)認定のための人材確保と、強固な評価戦略のための人材確保(実行のパラドックス)、(ii)認定のための評価デザインと、刷新や変革に拍車をかけるためのデザイン(実行と学習のパラドックス)、(iii)評価結果の一般への普及と、アクセス制限や選択的アクセス(公表のパラドックス)などが挙げられる。サブテーマと例示データを示す。

結論:本研究は、認証評価を求めるという利害関係の強い状況が、評価実践の質と信頼性を危険にさらす緊張関係を表面化させていることを実証している。このようなリスクを軽減するためには、評価業務を委託したり実施したりする者は、このような緊張関係を識別し、調整することができなければならない。我々は、認定を求める努力と並行して、評価業務の質を最適化するのに役立つ可能性のある戦略を提案する。批判的に言えば、我々の研究は、評価を純粋に手法として位置づけ続けることの限界と、文脈の影響を非常に受けやすい社会技術的実践として位置づけることの限界を浮き彫りにしている。