医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

How workplace learning is put into practice: contrasting the medical and nursing contexts from the perspective of teaching and learning regimes (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

Liljedahl M, Björck E, Bolander Laksov K. How workplace learning is put into practice: contrasting the medical and nursing contexts from the perspective of teaching and learning regimes. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Dec 2. Epub ahead of print. 

背景:医療専門職教育では、臨床環境での学習が重要視されている。職場学習 (workplace learning)の経験は広く研究されているが、フィールドワークを通じて探求される職場学習の実践はあまり利用されていない。教育・学習体制の理論的枠組みは、教師および学習者が職場学習の実践において何を指針とするかを検討する際に、権力と対立の側面を認識するものである。本研究は、隣接する2つの医療専門職である医学と看護学における職場学習の実践を探求することを目的とした。

方法:我々はエスノグラフィックな質的デザインを採用した。データセットは、12日間の観察、16回のフォローアップインタビューである。テーマ分析は、理論的枠組みに従って演繹的に行われた。

結果:データからは、4つの教育・学習体制が見出された。医療分野では、職場学習は、現在の実践の再現として、あるいは専門的な能力開発の刺激として行われていた。看護学では、職場学習は学生と指導者のパートナーシップの構築、または専門家コミュニティの条件付メンバーシップのいずれかに基づいて行われた。医学と看護学の文脈は、教育と学習に関するさまざまな基礎と仮定を示した。

結論:医療と看護の文脈におけるそれぞれの職場学習の実践は、我々が職場学習の実践をどのように理解するかに示唆を与えるような実質的な差異を有しているように思われる。さらに、本研究における教授・学習体制の理論的枠組みは、職場学習を探求するうえで有用であることが証明されたと結論づけた。