医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Symbols and rituals are alive and well in clinical practice in Australia: Perspectives from a longitudinal qualitative professional identity study (Med Teach 2023)

McLean M, Khaira A, Alexander C. Symbols and rituals are alive and well in clinical practice in Australia: Perspectives from a longitudinal qualitative professional identity study. Med Teach. 2023 Jun 20:1-6. Epub ahead of print.

背景:医師になるまでの道のりには、経験、学習環境、ロールモデル、シンボルや儀式など、多くの要因が個人のプロフェッショナル・アイデンティティに影響を与える。医師という職業に関連する儀式やシンボルには、歴史的に白衣の着用(現在では稀)や聴診器などがある。本研究では、オーストラリアにおける6年間の縦断的研究(2012~2017年)において、象徴的な識別子に関する2人の医学生の視点を調査した。

方法:オーストラリアの5年制医学部プログラムにおける2012年の質的横断的プロフェッショナル・アイデンティティ研究を、年1回の面接による縦断的研究に拡張した。聴診器やその他のアイデンティティの象徴に関する会話は1年目に開始され、学生が若手医師になった時点で終了した。

結果:シンボルと儀式は、医師に「なる」ことと「医師である」ことの一部である。オーストラリアの病院では、聴診器はもはや医療従事者だけのものではなくなり、「プロフェッショナルな服装」が医学生や医師と他のチームメンバー(ユニフォーム)を区別しているようである。本研究では、lanyard colourとデザインがシンボルであり、言語が儀式であることを明らかにした。

結論:シンボルや儀式は時代や文化的背景によって変化する可能性があるが、医療行為において、大切な物や儀式のある形は存続し続けるであろう。