医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Residents, Responsibility, and Error: How Residents Learn to Navigate the Intersection (Acad Med 2023)

Shepherd L, Chilton S, Cristancho S. Residents, Responsibility, and Error: How Residents Learn to Navigate the Intersection. Acad Med. 2023 May 5. Epub ahead of print.

背景:カナダの卒後教育のコンピテンシーとして、レジデントは医療過誤を速やかに公表し、その責任を負い、改善するための手段を講じることができることが期待されている。医療過誤という非常に感情的な出来事を、経験不足と階層的なチームの立場によって弱い立場にあるレジデントがどのようにナビゲートするかは、まだ十分に検討されていない。本研究では、レジデントがどのように医療過誤を経験し、医療過誤に直面した患者に対して責任を持つようになるかを検討した。

方法:カナダの大規模な大学の研修プログラムにおいて、幅広い専門分野と研修年数を持つ19人のレジデントを募集し、2021年7月から2022年5月にかけて半構造化インタビューに参加させた。インタビューでは、医療過誤を経験した患者をケアした経験を探った。データの収集と分析は、構成主義的グラウンデッド・セオリー法を用いて反復的に行われ、テーマは定比較分析によって特定した。

結果:参加者は、研修期間中に進化したエラーの概念化プロセスについて説明した。全体として、参加者は、医療過誤を経験し、医療過誤後に患者と自分自身の両方をケアすることを学んだ方法についての枠組みを説明した。参加者は、エラーを理解するための個人的な発展、役割モデルがエラーについての考え方にどのように影響したか、エラーの機会に満ちた職場環境を乗り切ることの難しさを認識し、事後処理においてどのように精神的支援を求めたかについて説明した。

結論:レジデントがエラーを起こさないように指導することは重要であるが、エラーが必然的に発生した場合に、臨床的にも感情的にも彼らをサポートするという重要な仕事に取って代わることはできない。レジデントがどのようにして医療過誤を管理し、責任を負うようになるかをよりよく理解することは、正式なトレーニングだけでなく、事象の発生中および発生後のタイムリーで明確な議論と感情的なサポートの必要性を明らかにする。臨床管理と同様に、エラー管理における段階的な自立は重要であり、教員の不快感のために避けるべきではない。