医学教育研究者・総合診療医のブログ

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On-call absences and academic recognition: A retrospective cohort analysis (Med Educ 2023)

Manzoor F, Lefkowitz A, Redelmeier DA. On-call absences and academic recognition: A retrospective cohort analysis. Med Educ. 2023 Apr 27. Epub ahead of print.

背景:レジデントの呼び出しスケジュールは、慎重な計画を必要とし、予測不可能な要因による予期せぬ欠席の影響を受けやすいものである。我々は、レジデントの呼び出しスケジュールの予定外の欠席が、その後の学術的評価の可能性と関連するかどうかを検証した。

方法:2014年から2022年(8年間)のトロント大学の内科レジデントのコールシフトからの予定外の欠席を調査した。学術的認知の指標として、学年末に授与される機関賞を確認した。7月に始まり翌年の6月に終わる解析単位をresident-yearと定義した。二次分析では、予定外の欠席と後年の学会賞受賞の可能性との関連性を調べた。

結果:内科の研修医1668 resident-yearを確認した。合計で579名(35%)に予定外欠席があり、残りの1089名(65%)には予定外欠席がなかった。ベースラインの特徴は、2つのグループのレジデントの間で類似していた。合計で301の学業表彰を受けた。年末に表彰を受ける可能性は、予定外欠席があったレジデントでは、欠席がなかったレジデントと比較して31%低かった(調整オッズ比=0.69、95%信頼区間0.51-0.93、p = 0.015)。予定外欠席が複数回あったレジデントは、欠席がなかったレジデントと比較して、受賞の可能性がさらに低下した(オッズ比0.54、95%信頼区間0.33-0.83、p = 0.008)。レジデンシー1年目の欠席は、研修後年の学術的評価の可能性と有意な関連はなかった(オッズ比0.62、95%信頼区間0.36-1.04、p = 0.081)。

結論:本分析の結果は、予定されていたコールシフトへの予定外欠勤が、内科レジデントの学術的認知の可能性の低下と関連する可能性があることを示唆している。この関連性は、無数の交絡因子や一般的な医療文化を反映している可能性がある。