医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Transformative experiences at art museums to support flourishing in medicine (Med Educ Online 2023)

Tackett S, Eller L, Scharff S, Balhara KS, Stouffer KM, Suchanek M, Clever SL, Yenawine P, Wolffe S, Chisolm MS. Transformative experiences at art museums to support flourishing in medicine. Med Educ Online. 2023;28:2202914.

背景:臨床医学生を対象とした4週間のハイブリッドな芸術系エレクティブを実施し、栄達 (flourishing)をサポートするための評価を行った。

方法:2022年初頭に5名の学生が参加した。12回のセッションは美術館やその他の文化センターで対面で行われ、5回はオンラインで行われた。セッションには、ビジュアル・シンキング・ストラテジー、ジャズ・セミナー、マスクメイキング・ワークショップなど、様々なアートベースの学習活動が取り入れられた。週1回の振り返りエッセイ、コース終了6週間後のインタビュー、臨床に関連する4つの尺度(不思議の能力(capacity for wonder; CfW)、曖昧さへの耐性(TFA)、対人反応性指数、多様性への開放性)を含む事前事後調査によってコースを評価した。

結果:質的にも、本コースは学習者に以下のような効果をもたらした: 1)医学教育で軽視されてきた個人の特性や興味と再会する、2)他者の視点をよりよく理解する、3)医師としてのアイデンティティを確立する、4)静かに内省することで目的意識を新たにする。量的には、CfWスケール(32.0 [SD 6.8] vs 44.0 [SD 5.7], p=.006)とTFAスケール(16.4 [SD 5.2] vs 24.2 [SD 6.9], p=.033)のポスト前の平均合計が増加した。

結論:このエレクティブは、学習者が自分自身、他者、職業とつながることを促進し、臨床に関連する尺度を改善した。このことは、芸術を基盤とした教育がプロフェッショナル・アイデンティティの形成を促進し、学生にとって変革的であることのさらなる証拠を提供する。