Gunasingha RMKD, Lee HJ, Zhao C, Clay A. Conflict resolution styles and skills and variation among medical students. BMC Med Educ. 2023;23:246.
背景:医療チームにおいて対立は避けられないが、professional schoolのカリキュラムで対立解決スキル (conflict resolution skills)を教えたり評価したりすることはほとんどない。また、医学生における対立解決スタイルの違いや、これらのスタイルが対立解決スキルにどのような影響を与えるかについては、ほとんど知られていない。
方法:本研究は、自分の対立解決スタイルを知ることが、模擬遭遇における対立解決スキルに与える影響を評価するための、前向き、単盲検、グループランダム化準実験的な試験である。卒業した医学生は、レジデンシーへの移行コースで、看護師役の模擬患者との対立解決セッションを必須とした。コーチは、シミュレーションのビデオテープをレビューし、学生の交渉と感情的知性に関するスキルに注目した。シミュレーション前に学生が自分の対立解決スタイルを知っていたこと、学生の性別、人種、希望する診療分野が、コーチが判断する対立解決スキルに与える影響を、後方視的に評価した。
結果:180名の学生が対立模擬セッションを完了した。67名の学生が模擬患者(SP)遭遇前にTKIを、41名の学生が遭遇後にTKIを完了した。最も一般的な対立解決スタイルは「融和的 accommodating」(n = 40)であった。シミュレーションの前に自分の対立解決スタイルを知っていること、および人種/民族を特定することは、教員コーチによる評価ではスキルに影響を与えなかった。diagnosis-basedな専門性を追求する学生は、proceduralな専門性を追求する学生よりも、交渉力(p = 0.04)および感情指数(p = 0.006)のスコアが高いことが示された。また、女性の方が感情商のスコアが高かった(p = 0.02)。
結論:対立解決スタイルは医学生によって異なる。男性の性別と将来のprocedural specialty実践は、対立解決スキルに影響を与えたが、対立解決スタイルを知っているかどうかは影響しなかった。