医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Diagnosing virtual patients: the interplay between knowledge and diagnostic activities (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2023)

Fink MC, Heitzmann N, Reitmeier V, Siebeck M, Fischer F, Fischer MR. Diagnosing virtual patients: the interplay between knowledge and diagnostic activities. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Apr 13. Epub ahead of print.

背景:臨床推論理論では、知識と診断プロセスが診断の成功に関連することで一致している。しかし、臨床推論のこれらの構成要素が診断の成功に与える正確な貢献は、依然として不明確である。特に、診断プロセスを診断活動(すなわち、知識を生成するティーチングプラクティス)で運用する場合は、その傾向が顕著である。そこで我々は、医学生のバーチャル患者を用いた診断成功のばらつきを、知識と診断活動がどの程度独自に説明するかを調査する研究を実施した。

方法:サンプルは、ドイツの大学3~5年生(6年制)の医学生N = 106名で構成された。参加者は、バーチャル患者を診断する前に、専門知識テストを受けた。バーチャル患者の診断の成功は、診断の正確さだけでなく、臨床推論の成果をより広範に測定する要請に応えるための包括的な診断スコアで評価された。

結果:診断の3つの活動である仮説生成、証拠生成、証拠評価が追跡された。専門知識は、総合診断スコアのパフォーマンスを予測し、診断精度との関連はわずかであった。診断活動は、総合的な診断スコアと診断精度を予測した。階層的回帰により、知識を考慮した場合でも、診断活動は診断の成功に独自の貢献をしていることが示された。

結論:この結果は、診断プロセスは知識の具現化以上のものであり、知識以上に診断成功の分散を説明するという議論を支持するものである。この知見を説明する可能性のあるメカニズムについて議論する。