医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Association of scopophobia with online learning fatigue among medical students in Brazil (BMC Med Educ 2023)

Alencar MS, Kubrusly M, de Oliveira CMC, de Aquino BOA, Viana IN, Morais PI, Rocha HAL. Association of scopophobia with online learning fatigue among medical students in Brazil. BMC Med Educ. 2023;23:221.

背景:スコポフォビア(Scopophobia)は、医療分野では「見られること、見つめられることへの恐怖」と表現される。遠隔学習シナリオにおけるスコポフォビアの関連性は、常に存在し、医学教育のパンデミック時に大きく拡大したにもかかわらず、このテーマに関する研究は世界的に極めてまれである。そこで、このギャップを埋めるために、医学生を対象とした横断的な研究を行い、スコポフォビアとオンライン学習疲労の有病率との関連性を評価した。

方法:ブラジルのメディカルスクールにおいて、横断的、定量的、分析的研究を実施した。スコポフォビアのリスクを評価するために、このテーマに関する文献に基づいて、質問を作成した。Zoom Exhaustion & Fatigue Scale (ZEF)を使用し、質問は現在ブラジルポルトガル語で検証されている。また、ロジスティック回帰モデルを用いて、スコポフォビアのリスクとZEFのスコアの関係を評価した。

結果:ブラジルから合計283名の学生が研究に参加した。年齢の中央値は23歳で、参加者の64%が女性であった。合計で14.5%がスコポフォビアの高リスクとされた。性別、収入、世帯の居住者数で調整した後も、スコポフォビアとZoom疲労の総スコアは関連性を保っていることが判明した。総スコアでは、スコアが1点増えるごとにスコープフォビアの可能性が3%、総合領域では19%増加した(p値 < 0.05)。

結論:結論として、本研究は、スコポフォビアを持つ学生の関連する有病率を示しており、教師側の差別化されたアプローチが必要であることを示している。スコポフォビアの原因は、しばしば特異的であり、通常の教育学的管理を超えた心理的起源を持つ。したがって、オンライン教育・学習プロセスの改善を促進するために、一般的な方法と個別的な方法で動機付け戦略が必要である。