医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Active methodologies association with online learning fatigue among medical students (BMC Med Educ 2022)

de Oliveira Kubrusly Sobral JB, Lima DLF, Lima Rocha HA, de Brito ES, Duarte LHG, Bento LBBB, Kubrusly M. Active methodologies association with online learning fatigue among medical students. BMC Med Educ. 2022;22:74.

背景:COVID-19 pandemicという現状とソーシャル・ディスタンスの問題から、多くのメディカルスクールで遠隔教育が実施された。教育機関は、ウイルスの蔓延を抑えることを目的に、教員や学生を自宅に置いたまま、教育や学習を継続的に推進するという課題に直面した。しかし、このような変化は、"zoom fatigue (zoom疲労)"と呼ばれる、ビデオカンファレンスに参加することによる疲弊・疲労のために学生のメンタルヘルスを損なう。医学教育におけるzoom疲労の重要性にも関わらず、アクティブメソッドによるオンライン教育・学習プロセスがこの疲労の発生に果たす役割については、これまで研究が行われていないことが観察される。我々は、使用される教育方法とzoom疲労の有病率の関連性を評価することを目的とした。

方法:ブラジル、セアラ州のメディカルスクールにおいて、横断的、定量的、分析的研究を実施した。前期はPBM教授法のみ、後期はPBLと従来の教授法の併用、すなわちハイブリッド教授法が用いられている。the Zoom Exhaustion & Fatigue Scale (ZEF)を使用し、質問項目は現在ブラジル・ポルトガル語で検証されている。カイ二乗検定を用い、測定された変数と教育方法との間の統計的な関連を検証した。

結果:zoom疲労の有病率は、ハイブリッドモデルを使用した学生の56%に対し、PBL手法を使用した学生は41%であり、統計的に有意な差が見られた(p = 0.027)。また、全体のzoom疲労の平均有病率は48%であった。ハイブリッドモデルを使用した学生は、ビデオカンファレンス後に一人になりたいと感じる頻度(それぞれ16.9 vs. 7.1%)およびビデオカンファレンス後に一人になる時間が必要と感じる頻度(それぞれ10.2 vs. 3.6%)が有意に高く、PBLモデルとは異なることが示された。

結論:zoom疲労がCOVID-19 pandemic以降も続く可能性があることを考えると、ビデオカンファレンス疲労を軽減する方法を知り、指示を出すことが重要である。本研究では、学生の積極的な参加と活動回数が重要な要素であることが示唆された。