Rees CE, Ottrey E, Kemp C, Brock TP, Leech M, Lyons K, Monrouxe LV, Morphet J, Palermo C. Understanding Health Care Graduates' Conceptualizations of Transitions: A Longitudinal Qualitative Research Study. Acad Med. 2021 Dec 7. Epub ahead of print.
背景:高等教育の文献では、移行 (transition)は様々な形で定義されているが(例:inculcation, development, becoming)、最終学年から新卒への移行期におけるヘルスケア学習者の移行の概念化を調査した研究はほとんどない。このような概念化は、学習者がどのように移行をナビゲートするか、またその逆も同様であるため、学習者が移行をどのように理解するかは重要である。
方法:著者らは、最終学年から新卒への移行にわたって、4つの分野(医学、栄養学、看護学、薬学)のヘルスケア学習者35名を対象に、3か月間の縦断的な質的研究を行い、彼らがどのように移行を概念化しているかを探った。データ収集は、2019年7月から2020年4月にかけて、オーストラリア・ビクトリア州のモナッシュ大学で行われた。著者らはフレームワーク分析を用いて、インタビューと縦断的なオーディオダイアリーデータを横断的および縦断的に尋問した。
結果:著者らは、移行について、時間的制約があり直線的なもの(一回限りの出来事、システム、直線的、適応、アイデンティティに結びついたもの)、継続的で複雑なもの(継続的なプロセス、多面的、複雑なもの)、移行ショックに関連するもの(労働、感情に結びついたもの)に大別される10種類の概念化を見出した。適応の概念化は時間の経過とともに優位性を増し、線形の概念化はインタビュー(時点1と3)でより明らかになり、多面的で感情に結びついた概念化は縦断的なオーディオダイアリー(時点2)でより優位になった。
結論:本研究は、移行の概念化が既存の高等教育の文献とほぼ一致していることを示しているが、時系列での概念化の違いを明らかにすることで、この研究を大幅に拡張するものである。著者らは、ヘルスケア学習者、教育者、および政策立案者が、困難なことが多い卒業後の移行をうまく乗り越えることができるように、移行について、理解を深めより洗練されたものにすることを奨励する。今後は、新卒時以外の長い期間における関係者の移行の概念化を調査する必要がある。