医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Objective assessment for open surgical suturing training by finger tracking can discriminate novices from experts (Med Educ Online 2023)

Hillemans V, van de Mortel X, Buyne O, Verhoeven BH, Botden SMBI. Objective assessment for open surgical suturing training by finger tracking can discriminate novices from experts. Med Educ Online. 2023;28:2198818.

背景:開腹手術における手技の評価は難しく、時間と費用がかかる。本研究の目的は、基本的な開腹縫合作業のための、低コストで簡単にアクセスできる追跡技術の構成妥当性を調査することである。

方法:2020年9月から2021年9月までの間に、ラドバウド大学医療センターの医学修士学生、外科レジデント、外科医が募集された。参加者は、経験に応じて、初心者グループ(10回以下の縫合実施)とエキスパートグループ(50回以上の縫合実施)に分けられた。客観的な追跡には、SurgTracソフトウェアを搭載したタブレットを使用し、左右の人差し指にそれぞれ設置された青と赤のタグを追跡した。参加者は、縫合モデルで4つの基本的な作業を行った: 1)手で結ぶ、2)器具の結び目を使った経皮縫合、3)器具の結び目を使った「ドナティ」(垂直マットレス縫合)、4)結び目を使わない連続経皮縫合である。

結果:合計で76名の参加者が含まれた: 初心者が57名、熟練者が19名である。4つのタスクすべてにおいて、時間(p < 0.001)、距離(タスク1、2、3はp < 0.001、タスク4はp = 0.034)、滑らかさ(p < 0.001)というパラメータで、初心者グループとエキスパートグループの間に有意差が見られた。さらに、Task 3では手のひらサイズ(p = 0.006)、Task 4ではスピード(p = 0.033)というパラメータで有意差が見られた。

結論:シミュレータ上で基本的な開腹縫合を行いながら、タブレットのSurgTracソフトウェアを用いて人差し指の動きを追跡すると、4つの縫合タスクすべてにおいて、時間、距離、動きの滑らかさについて優れた構成妥当性が示された。