医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Do students' personality traits change during medical training? A longitudinal cohort study (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2023)

Abbiati M, Cerutti B. Do students' personality traits change during medical training? A longitudinal cohort study. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2023 Feb 2. Epub ahead of print.

背景:多くのメディカルスクールでは、性格特性を含む個人特性の評価を選抜過程に取り入れている。しかし、医学実習中の性格特性の変化が性格評価の予測的妥当性に影響を与えるかどうかについてはほとんど知られていない。本研究では、この問題を解決するために、6年間の医学研修コースにおける性格特性の安定性とその予測妥当性を検討した。

方法:参加者は、スイスの医学生2コホート(N = 272、2年次に入学した学生の72%)で、人口統計データ、スイス医学研究適性検査(EMS)得点、3回測定したビッグファイブ性格特性得点、最終医学試験の多肢選択式試験と客観構造化臨床試験の得点を収集した。

結果:その結果、性格特性は中位から高位の安定性を示した(3年間でr>0.60、6年間でr>0.50)。平均レベルの変化は、快楽性で中程度(d = + 0.72)、神経症と良心性で小さかった(それぞれ d = -0.29, d = -0.25)。個人の信頼できる変化指標は、開放性の4.5%から神経症の23.8%の範囲であった。予測妥当性は、最初の3年間のフォローアップのそれと同様であった。

結論:我々の知る限り、本研究は卒前カリキュラムを横断して性格の変化を調査した最初の研究である。医学生の性格特性は、メディカルスクールをまたいでもほぼ安定しており、予測妥当性も保たれていた。したがって、本研究は、選抜において性格特性の基礎となる構成概念を測定するツールを使用することを支持するものである。さらに、本研究は、試験形式が特定の性格特性を持つ学生を有利にする可能性があることを確認した。