Kyaw L, Loh KY, Tan YQ, Wu FMW, Tiong HY, Wang Z. Personality differences between internal medicine and surgical residents in an Asian population. BMC Med Educ. 2022;22:650.
背景:パーソナリティ特性は、同僚や患者との関わり方に影響を与えることが多い。異なる専門分野間には明確な性格が存在し、研修やキャリアにおける成功を予測するのに役立つと思われることが多い。
方法:本研究の目的は、外科系レジデントと内科系レジデントの性格を比較することである。内科系レジデント35名と外科系レジデント35名が、性格特性の有効な尺度である改訂版NEO性格目録 (the Revised NEO Personality Inventory)に回答した。神経質(N; neuroticism)、外向性(E; extraversion),開放性(O; openness),良心性(C; conscientiousness),協調性(A; agreeableness)の5つの主要な性格特性についてそれぞれ点数が作成された。これらの特性はそれぞれ6つの構成要素に細分化された。これを社会人口統計学的特徴と比較した。
結果:内科系レジデントは、全体的なAgreeablenessの領域で高いスコアを示し、平均スコアは47.4 vs 40.5であった。またAgreeablenessのうち、「素直さ」「利他主義」「謙虚さ」については、内科系レジデントが高得点を示した。外科系レジデントは、全体的な外向性において高いスコアを示した(52.4 vs. 45.4)。外向性では、外科系レジデントは自己主張が強く、興奮を求める傾向が強かった。総合的な神経症の領域には差がなかったが、神経症の側面では、外科系レジデントは、怒りっぽい敵意と衝動性の平均スコアが統計的に高かった。性別による層別化では、統計的に有意な差は認められなかった。
結論:内科系レジデントと外科系レジデントの性格には基本的な違いがある。各個人のデータを詳細に分析することは、適切な支援と指導があれば、レジデントが自分の性格について詳しく知り、それが臨床実践にどのような影響を与えるかを知る上で有用であろう。これは、将来のキャリアカウンセリングや、より全人的な医療従事者の育成に有益である。