医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Reviewing Internal Medicine Clerkship Grading Through a Proequity Lens: Results of a National Survey (Acad Med 2023)

Lai CJ, Alexandraki I, Ismail N, Levine D, Onumah C, Pincavage AT, Jacob J, Jenkins MO, Nagarur A, Kisielewski M, Osman NY. Reviewing Internal Medicine Clerkship Grading Through a Proequity Lens: Results of a National Survey. Acad Med. 2023 Jan 6. Epub ahead of print.

背景:医学教育において、評価と評定における公平性 (equity)は必須である。公平性を促進するための戦略は存在するが、その浸透度は施設によって異なる可能性がある。本研究の目的は、内科(IM)クラークシップ・ディレクター(CDs)が評価・評定における不公平を解消するために用いる戦略を明らかにし、これらの戦略の実施を妨げる、あるいは促進する要因についてIM CDsの認識を探ることであった。

方法:2021年10月から12月にかけて,Alliance for Academic Internal MedicineのClerkship Directors in Internal Medicineは、米国および米国管轄のメディカルスクール137校のIMコアCDsに対して、毎年実施している調査を実施した。本研究は、IMクラークシップの評価と成績評価における公平性について、調査から得られた23の質問に基づいている。

結果:調査の回答率は73.0%(137校の医学部CDのうち100校)であった。クラークシップの評価と評定における公平性を促進するために推奨される証拠に基づく戦略の使用は、IMクラークシップによって異なっていた。クラークシップで学生の臨床指導者に対する暗黙の偏見に関するFDを取り入れたと回答したのは30人(30.0%)のみで、31人(31.0%)が偏見を最小化するナラティブ評価の書き方について教員に教育を行ったと報告した。40人の回答者(40.0%)が、クラークシップの採点者に、IMクラークシップの最終サマリーを書く際にバイアスを最小化する方法について指導し、41人(41.0%)がIMクラークシップの成績を決定するために評定委員会を利用していた。23人(23.0%)のCDsは、偏見を最小化する方法でクラークシップの成績とサマリーを作成する方法について、所属機関から正式な教育を受けていた。

結論:この全国調査では、IMクラークシップにおける評価と評定の公平性を促進するためのエビデンスに基づく戦略の適用について、メディカルスクール間でばらつきがあることがわかった。クラークシップの評価および成績評価における偏りに対処するプログラムの開発、標準化された知識試験の成績の重みの再評価、評定委員会の実施など、公平な成績評価戦略を採用し最適化する機会が存在する。