医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Impact of Students' Scheduling Choice on Clerkship Examination Score Performance in a Time-Varying Competency-Based Curriculum (Acad Med 2023 )

Kraakevik JA, Haedinger LA, Guzman CEV, Kahl L, Smeraglio A, Bonura E, Hasan R, Paquin A, Moulton B, Carney PA. Impact of Students' Scheduling Choice on Clerkship Examination Score Performance in a Time-Varying Competency-Based Curriculum. Acad Med. 2023;98:98-104.

背景:標準的なクラークシップ終了試験は、通常クラークシップの最終日に実施される。しかし、近年の時間変動型コンピテンシーベースの医学教育の傾向により、学生にはより柔軟な試験スケジュールが提供されており、学生が選択した試験時期の影響を研究する機会が生じてきている。

方法:2018年の卒業クラスから、学生は臨床年の間に選択した任意の空き時間に、必須の標準化されたエンド・オブ・コア・クラークシップ試験を受けた。この変更以前は、これらの試験はクラークシップの最終日にすべての学生に実施されていた。学生が選択した試験時期が、必須コア・クラークシップのNational Board of Medical Examiners shelf clinical science examinationsの試験成績に与える影響を評価するため、2017年から2020年の間(柔軟な試験時期前後を含む)、クラークシップ修了に対する学生の試験時期を分析した。

結果:2017年の医学生146名(固定試験タイミング)と2018年から2020年の医学生466名(柔軟試験タイミング)のデータが含まれた。柔軟な試験タイミングを提供された学生のうち、実際にクラークシップを受ける前に試験を受けたのは2.7%(内科)から14.6%(精神科)、クラークシップ終了から90日以上経ってから試験を受けたのは22.7%(精神科)から40.0%(外科)であった。試験の得点は、個々のローテーションの終了時に試験を受けることを義務付けられた学生や試験の得点を合計した場合と比較して、自分の好きな時期に試験を受けた学生の方が統計的に高かった(固定試験タイミング平均 = 73.9、標準偏差[SD]= 7.8、柔軟試験タイミング平均 = 77.4、SD = 6.0、P < .001)。また、内科、小児科、精神科では、合格者の割合が統計的に高かった。

結論:shelf examのタイミングを自己選択することで、得点は増加するようである。より多くのメディカルスクールがコンピテンシーベースの医学教育に移行するなか、スケジュールの柔軟性を提供することは、学生の成績に悪影響を与えないようである。