医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Planetary health and sustainability teaching in UK medical education: A review of medical school curricula (Med Teach 2022)

Bevan J, Blyth R, Russell B, Holtgrewe L, Cheung AHC, Austin I, Shah V, Butler M, Fraser S; Collaborating Authors. Planetary health and sustainability teaching in UK medical education: A review of medical school curricula. Med Teach. 2022 Dec 12:1-10. Epub ahead of print.

背景:将来の医師は、環境悪化のなかで患者の健康を守りながら、持続可能な医療を提供する力を身につける必要がある。本研究は、英国の医学教育における惑星の健康 (planetary health)と持続可能性 (sustainability)に関するトピックの教育の程度と性質を客観的に検討することを目的とした。

方法:General Medical Councilが採択した'Educating for Sustainable Healthcare - Priority Learning Outcomes'に対して、2020/2021年度の英国の医学コースにおける時間割のある教育セッションを多機関で全国レビューしたものである。医学生を募集し、標準化されたデータ収集ツールを用いて、主要な教育セッションに関連する自校のオンライン教材全体をレビューした。学習成果のカバー率と推定授業時間を算出し、参加したメディカルスクールのランキングに使用した。

結果:対象校の45%がこの研究に参加した。教育内容はコースによって大きく異なっていた。13の学習成果の平均カバー率は9.9(SD:2.5)、平均推定教育時間は140分(SD:139)であった。惑星の健康と持続可能性についての専門的なセッションを持つコースが最も上位にランクされた。

結論:医学生がこれらのトピックについて受ける教育には大きな格差がある。教育では、持続可能性に十分な優先順位をつけていない、あるいは惑星の健康に関する知識の進歩が反映されていない可能性がある。