医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Introducing Mass Communications Strategies to Medical Students: A Novel Short Session for Fourth-Year Students (Acad Med 2021)

Krohn KM, Crichlow R, McKinney ZJ, Tessier KM, Scheurer JM, Olson APJ. Introducing Mass Communications Strategies to Medical Students: A Novel Short Session for Fourth-Year Students. Acad Med. 2021 Dec 7. Epub ahead of print.

背景:WHOは、質の高い医療情報を持つすべての人に、その情報を一般市民と共有し、健康に関する誤った情報と闘うよう呼びかけている。しかし、米国のメディカルスクールでは現在、一般市民との健康に関する効果的なコミュニケーションを学生に教えていない。ほとんどの医師は、マスコミュニケーション戦略のトレーニングを十分に受けていない。

方法:2018年8月、ミネソタ大学医学部の斬新な90分クラスでは、4年生の医学生にマスメディアを通じて一般の聴衆とコミュニケーションをとるための基本的なスキルを紹介した。講師は、ラジオ、オピニオン記事、ソーシャルメディア、印刷メディア、テレビ、地域や議会でのアドボカシーなどを通じて一般市民との交流を経験した医師が務めた。20分間の講義と講師自身の体験談を紹介した後、受講生は30分間の小グループ活動を2回行った。学生たちは、健康に関するトピックについて、コミュニケーションの目的や話題のポイントを特定し、それらをツイートや記事のアウトラインとして作成した後、仲間と一緒に模擬記者会見で話題のポイントを発表し、学んだばかりのスキルを実践した。事前と事後のアンケートでは、学生がこれまでに行ってきたマスメディアでのメッセージングへの取り組みと、今後の取り組みへの不安が記録された。

結果:1週間にわたり、142名の学生が6つのクラスに参加し、127名が事前・事後のアンケートに回答した。受講前に、ソーシャルメディアを快適に利用したことがある学生はわずか6%(7/127)、仕事上で伝統的なメディアを快適に利用したことがある学生は14%(18/127)であった。コース終了後、受講生は、患者を擁護するために特定のコミュニケーションスキルを使用することについて、快適さ、能力、可能性が向上したと自己申告した(すべてP < 0.001)。

結論:このコースは、2年間に渡って3年生と4年生の医学生を対象とした5回のセッションに拡大される予定である。このコースでは、一般聴衆を対象とした医師との出会い、マス・ヘルス・コミュニケーションのベストプラクティスの確認、バイアスと誤報の確認、ソーシャルメディアの「やるべきこと」と「やってはいけないこと」、立法的アドボカシーのためのコミュニケーションスキルなどが予定されている。