医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Qualitative evaluation of postdoctoral trainee and faculty advisor experiences within a research-intensive school of pharmacy (BMC Med Educ 2022)

McLaughlin JE, Morbitzer KA, Hahn F, Minshew L, Brouwer K. Qualitative evaluation of postdoctoral trainee and faculty advisor experiences within a research-intensive school of pharmacy. BMC Med Educ. 2022;22:691.

背景:ポスドク研修生は、知的自立心の育成に役立つ指導者のもと、助成金の獲得、アライアンスの構築、大学院生の指導など、重要な役割を担っている。しかし、特に保健医療専門学校内におけるポスドク研修生の経験については、ほとんど調査されていない。本研究の目的は、公立の4年制薬学部におけるポスドク研修生と指導教員の経験を調査し、ポスドク研修の改善のための機会領域を特定することである。

方法:フォーカスグループとインタビューを実施し、参加者の経験、認識、改善のための提案を聞き出した。関係者グループには、ポスドク研修生および指導に当たる教員が含まれた。テーマコーディングにより意味的なテーマを特定し、参加者の認識に関するサマリーを作成した。その結果を、アイデンティティ・トラジェクトリーの枠組みに当てはめた。

結果:参加者は、知的成長、ネットワーキングの機会、組織的支援に関連する様々な経験について説明した。また、参加者の主体性は、キャリア目標の策定や移行期を乗り切るために重要であった。COVID-19では、リモートワークへの移行や目標・モチベーションの管理に関連するユニークな課題が紹介された。また、インフラの改善、メンタリングの強化、コミュニケーションの強化など、機会のある領域が特定された。

結論:ポスドク研修生は、学術機関の成功に重要な役割を担っている。その経験を探る研究的な試み、特に質的手法を用いた研究は、薬学教育がポスドク研修生及び指導教員のニーズをより良く理解し、それに応えるために役立つものである。本研究は、ポスドク研究者の経験に関する洞察を提供し、薬学部におけるこれらの研修プログラムを改善するためのエビデンスを提供するものである。