医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

How progress evaluations are used in postgraduate education with longitudinal supervisor-trainee relationships: a mixed method study (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2022)

Westein MPD, Koster AS, Daelmans HEM, Bouvy ML, Kusurkar RA. How progress evaluations are used in postgraduate education with longitudinal supervisor-trainee relationships: a mixed method study. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2022 Sep 12. Epub ahead of print.

背景:パフォーマンスを測定し、フィードバックを与えるという組み合わせは、進歩評価の形成的な目的と総括的な目的の間に緊張を生じさせ、監督者にとって困難なものとなりうる。また、監督者と研修生の関係がパフォーマンス評価に与える影響については、相反する見解やエビデンスが存在する。本研究の目的は、縦断的な監督者-研修生関係を有する卒後教育において、進捗評価がどのように用いられているかを知ることである。

方法:2年間のコミュニティファーマシー専門課程における進捗状況評価について、混合法によるアプローチを用いて調査した。the Canadian Medical Education Directives for Specialists (CanMEDS)フレームワークを適応したものを使用した。342名の研修生のパフォーマンス評価スコアの妥当性を反復測定ANOVAを用いて分析した。15名の指導医に対して半構造化面接を行い、指導医の対応プロセス、進捗評価の有用性、指導医と研修生の関係の影響について調査した。

結果:3か月ごとの進捗評価には、時間とCanMEDSの役割が影響した。インタビューにより、監督者の対応プロセスにはばらつきがあることが明らかになった。また、監督者は実際のパフォーマンスを評価することよりも、育成を促すことに重きを置いていた。進捗評価は、研修生の成長について話し合い、フィードバックを与え、学習プロセスに構造を持たせるために活用された。監督者と研修生の良好な関係がフィードバックの基礎になると考えられ、監督者は評価者の役割よりも教育者、指導者、コーチの役割を好んでいた。

結論:進捗評価は、縦断的な監督者-研修生関係におけるフィードバックを指示するための良い方法であることがわかった。パフォーマンスを採点する際の信頼性は低かった。監督者の役割分担の対立を最小限にするため、進捗評価は正式な評価から独立させることを推奨する。