医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Physical activity, burnout and quality of life in medical students: A systematic review (Clin Teach 2022)

Taylor CE, Scott EJ, Owen K. Physical activity, burnout and quality of life in medical students: A systematic review. Clin Teach. 2022 Sep 2:e13525. Epub ahead of print.

背景:医学生バーンアウトと生活の質(QoL)の低下のリスクにさらされている。バーンアウトのリスクは医学部3年から6年で2倍になり、医学生は非医学生に比べてQoLが8%~11%低くなる。バーンアウトQoLの低下は、診療におけるエラーと独立して関連しているため、これを予防することが必須である。本システマティック・レビューでは、医学生において身体活動・運動がバーンアウトおよび/またはQoLと関連するかどうかを検討することを目的としている。

方法:Embase、Medline、PsycINFO、Scopus、Web of Scienceのデータベース検索により、論文を同定した。身体活動/運動とバーンアウトまたはQoLの両方が測定されている研究を対象とし、医学生に焦点を当てたものに限定した。バイアスのリスクは、認定されたコホートおよび横断的チェックリストを用いて評価された。データセットに異質性があるため、ナラティブシンセシスが実施された。

結果:13カ国にわたる11,500人の医学生からなる18件の研究が含まれた。身体活動は、バーンアウトと負の相関を示し、QoLと正の相関を示した。さらに、身体活動バーンアウトQoLの両方に用量反応効果を示すことが示唆され、強度と頻度が高いほど、より大きな成果の改善を促すことが示された。

結論:この多国籍レビューでは、身体活動医学生におけるバーンアウトの軽減およびQoLの改善に関連することが実証された。また、最適な身体活動の強度、頻度、量、モードに関する研究の少なさも明らかになった。このレビューに基づく更なる研究が、エビデンスに基づく、well-beingカリキュラムの開発に役立つと思われる。これは、身体活動を医学教育に取り入れることで、well-beingを向上させ、医療現場での要求に対して学生をよりよく準備させることができるかもしれない。