Royce TJ, Jones GP, Muralidhar V, Chowdhary M, Holmes GM. US Primary Care vs Specialty Care Trainee Positions and Physician Incomes: Trends From 2001 to 2019. J Grad Med Educ. 2021;13:385-389.
背景:Affordable Care Act (ACA)とその後の米国の医療政策の多くは、医療アクセスの欠陥に対処し、プライマリー・ケア・サービスを強化するために設計されました。ACA後の時代にレジデントの地位や医師の所得がどのように変化したかは、あまり特徴づけられていない。米国における研修生の地位と医師の収入の伸びを、専門分野別、プライマリー・ケアとスペシャリティ・ケアの間で、ACA前とACA後の環境下で評価した。
方法:全米卒後医学教育(GME)センサスから専門分野別・年度別のレジデント総数を抽出し、プライマリー・ケアとスペシャリティ・ケアに層別化した。所得の中央値は、Medical Group Management Associationの調査から抽出した。Piecewise線形回帰と相互作用項(ACA前の 2001-2010年とACA後の2011-2019年)により、専門分野別の成長率とプライマリー・ケアとスペシャリティ・ケア間の成長率の差異を評価した。感度分析は、家庭医療に焦点を当て、2015年の単一GME認定制度の導入により貢献した追加のGMEポジションを除外することにより行った。
結果:プライマリー・ケア(ACA前+0.16%/年→ACA後+2.06%/年,P < .001)およびスペシャリティ・ケア(+1.49%/年→+2.07%/年,P = .005)でレジデント補充が増加した。スペシャリティ・ケアの伸びは、ACA前のプライマリー・ケア(P < 0.001)を上回ったが、ACA後では上がらなかった(P = 0.10)。家庭医療は、ACA前後で最大の伸びを示した(-0.77%/年 対 +2.09%/年、P < .001)。GME認定制度の移行により貢献したpositionsを除外しても、調査結果に統計的な有意差は見られなかった。収入の伸びは、プライマリー・ケアでは増加したが(+0.84%/年→+1.37%/年、P = .044)、スペシャリティ・ケアでは減少した(+1.44%/年→+0.49%/年、P = .011)。スペシャリティ・ケアの収入の伸びは、ACA以前はプライマリー・ケアよりも大きかったが(P < 0.001)、ACA以後は変わらなかった(P = 0.22)。
結論:ACAの前後で、プライマリー・ケアとスペシャリティ・ケアの間で、レジデント数および収入の成長に有意な差があることが明らかになった。