医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Making Prospective Entrustment Decisions: Knowing Limits, Seeking Help, and Defaulting (Med Educ 2022)

Schumacher DJ, Michelson C, Winn AS, Turner DA, Elshoff E, Kinnear B. Making Prospective Entrustment Decisions: Knowing Limits, Seeking Help, and Defaulting. Med Educ. 2022 Mar 8. Epub ahead of print.

背景:委託に焦点を当てた多くの研究では、臨床能力委員会や委託委員会が、完全に知られていない状況で発生する業務について、研修生が将来的にどの程度の監督を必要とするかを決定する、前向きな委託の決定については検討されていない。著者らは、卒後医学教育(GME)および卒前医学教育(UME)において、このような委員会のメンバーが行う前向きな委託の決定に影響を与え、決定する要因を探ることを目的とした。

方法:著者らは、2020年10月から2021年3月にかけて、米国におけるGMEおよびUMEの臨床能力・委託委員会の教員23名を対象に、構成主義的グラウンデッド・セオリー研究を実施した。インタビューでは、参加者が研修生に関する委託の見通しを決定する際に重視する要因や考慮事項を探ることを目指した。データ収集と分析は反復して行われ、常に比較できるようにした。理論的サンプリングは、進化する結果を確認、否認、精緻化するために用いられた。

結果:研修生が限界を知り、助けを求める能力は、参加者の将来的な委託の意思決定の基礎となるものである。しかし、ほとんどの参加者は、研修生が進歩する準備ができていると仮定し、パフォーマンスに「赤信号」がない限り、デフォルトの将来的な委託の決定を行うことが一般的であると記述している。参加者は、意思決定に必要な研修生のパフォーマンスに関する十分かつ信頼できるデータを望んでいるが、それが不足している場合が多い。最後に、将来的な委託の決定がもたらす永続性と結果の認知は、参加者が将来的な委託の決定に寄与する他の要因をどのように考慮するかに影響を与える。

結論:研修生の限界を知る能力と助けを求める能力は、将来的な委託の意思決定の基礎となるようである。研修プログラムは、これらの属性の存在を支持し、疑問視する確実なデータを収集し、採用するよう努めるべきである。