医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Risk factors associated with physician trainee concern over missed educational opportunities during the COVID-19 pandemic (BMC Med Educ 2021)

Lou SS, Goss CW, Evanoff BA, Duncan JG, Kannampallil T. Risk factors associated with physician trainee concern over missed educational opportunities during the COVID-19 pandemic. BMC Med Educ. 2021;21:216.

背景:COVID-19 pandemicにより、患者と医療従事者の両方を守るために、臨床ケアの方法が変更された。これらの変化は患者数の減少につながり、臨床および講義の機会が失われたことにより医師の研修生の教育に影響を与えた。本研究では、教育機会の喪失に対する研修生の懸念のprevalenceを測定し、そのような懸念につながる危険因子を調査した。

方法:2020年5月に、大規模なアカデミックメディカルセンターのすべてのresidentおよびfellowを対象に、ウェブベースの調査を実施した。参加者は、人口統計学的特徴、専門分野、過去2週間の主な担当業務(臨床、教育、研究)、教育機会の逸失に対する懸念の認識、およびバーンアウトに関する質問に回答した。多変量ロジスティック回帰法を用いて、教育機会の逸失と測定された変数との関係を評価した。

結果:研修生の22%(1375人中301人)が調査に回答した。研修生の47%が教育機会の逸失に不安を感じていた。在宅教育を行っている研修生は、臨床業務を行っている研修生と比較して、教育機会の逸失を懸念するオッズ比が2.85 [95%CI 1.33-6.45]高かった。研究を行っている研修生は、同様の影響を受けていなかった [aOR = 0.96, 95%CI (0.47-1.93)]。病理学や放射線学の研修生は、医学の研修生と比較して、教育機会の逸失に対する懸念のオッズが2.51 [95%CI 1.16-5.68]高かった。機会損失への懸念が大きい研修生は、バーンアウトを経験している可能性が高かった(p = 0.038)。

結論:放射線科や病理科の研修生、および自宅教育の研修生は、教育機会の逸失を気にする傾向が強かった。研修プログラムでは、将来的に臨床時間を短縮する必要が生じた場合、自習の代わりに研究や自宅での臨床機会を研修生に提供することを検討すべきである。