医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

How an EPA-based curriculum supports professional identity formation (BMC Med Educ 2022)

Bremer AE, van de Pol MHJ, Laan RFJM, Fluit CRMG. How an EPA-based curriculum supports professional identity formation. BMC Med Educ. 2022;22:48.

背景:医学教育では、Entrustable professional activities (EPAs)が広く用いられており、職場への参加を積極的に促すことで、医学生のプロフェッショナル・アイデンティティ形成(PIF)を促す重要なインセンティブとなる可能性がある。本研究の目的は、卒前教育においてEPAを用いたカリキュラムが医学生PIFに与える影響を探ることである。

方法:オランダ・ナイメーヘンのラドバウド大学医療センターにおける本研究で、筆者らは21名の医学生に3回のフォーカスグループインタビューを行い(2019年11月)、PIF、実践コミュニティ、EPAという統合概念と新たに定義したテーマの双方に基づくテーマ分析を行った。

結果:EPAsがPIFに及ぼす影響を理解するためには、学習機会の創出、フィードバックの管理、文脈における監督への対処、自信の育成という4つの中心的なテーマが極めて重要であることが判明した。EPAsは、学習機会の創出と目的意識の高い活動の選択を支援し、EPAsの活用はフィードバック探索行動を刺激した。スーパービジョンの文脈や方法は、彼らの成長に大きな影響を与え、ある文脈は他の文脈よりも良い学習機会を提供した。EPAsは信頼と自信の醸成に役立ったが、上司からの信頼はEPAsの利用によってもたらされたとは言い難い。

結論:EPAに基づくカリキュラムは、職場への参加を支援し、フィードバックを求める行動を促すことで、働きながら学ぶという複雑な状況において、PIFを刺激するものである。参加、フィードバック探索行動、学習活動の選択の間の適切なバランスをとることが重要である。