医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Intrinsic or Invisible? An Audit of CanMEDS Roles in Entrustable Professional Activities (Acad Med 2022)

LoGiudice AB, Sibbald M, Monteiro S, Sherbino J, Keuhl A, Norman GR, Chan TM. Intrinsic or Invisible? An Audit of CanMEDS Roles in Entrustable Professional Activities. Acad Med. 2022 May 3. Epub ahead of print.

背景:カナダの卒後医学教育は,新たなentrustable professional activities (EPAs)とそれに関連するマイルストーンを特徴とするコンピテンシーベースのモデルへと急速に変化している。しかし、これらのマイルストーンが、医学専門家の中心的役割とCanMEDSコンピテンシーフレームワークの66の内在的役割の間でどのように配分されているかは、まだ不明である。そこで、CanMEDSの各役割に分類されるEPAマイルストーンの数を測定し、内在的役割と医療専門家の役割の表現の全体的なバランスに注目し、文書レビューを実施した。

方法:2021年にカナダの40の専門分野のEPAガイドからデータを抽出し、各役割に正式に関連するマイルストーンの割合を測定した。その後の分析では、マイルストーンを卒後教育の段階によって分けた場合、EPAの最低観察数によって重み付けした場合、外科と内科の専門分野によって分類した場合の差異を調査した。

結果:EPAマイルストーンの約半数(平均48.6%、95%信頼区間[CI]=45.9、51.3)は、全体として内在的役割に分類された。しかし、健康支援者の役割は一貫して低く(平均2.95%;95%CI = 0.46, 1.49)、いくつかの内在的役割(主にリーダー、学者、専門家)は卒後教育の最終段階でより集中的に配置されることがわかった。これらの知見は、調査したすべての条件下でも当てはまった。

結論:EPAマイルストーンで観察された役割の分布は、内在的役割が医学的専門性と密接に関連しており、カリキュラムを通じて育成することが同様に重要であると考えられるという点で、CanMEDSのハイレベルな説明と一致する。しかし、きめ細かな分析によれば、内在的役割の普及率が低い、あるいは強調される時期が遅いことが、教育や評価の妨げになっている可能性があることが示唆されている。今後、マイルストーンの量やタイミングが、各役割の価値観を形成するかどうか、また、研修を通じての役割の最適な配分を決定する他の要因についても調査する必要がある。