医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Parental leave policy information during residency interviews (BMC Med Educ 2021)

Kraus MB, Reynolds EG, Maloney JA, Buckner-Petty SA, Files JA, Hayes SN, Stonnington CM, Vallow LA, Strand NH. Parental leave policy information during residency interviews. BMC Med Educ. 2021;21:623.

背景:面接の際、医学生は育児休暇 (parental leave)のような自分にとって重要かもしれない質問をすることに抵抗を感じることがある。育児休暇の方針は、プログラムディレクターや他の面接官に尋ねなければ、志願者が入手することが困難な場合もある。本研究の目的は、レジデント志望者に育児休暇に関する情報が提示されているか、また医学生がその情報を望んでいるかを評価することである。

方法:単一機関の3施設のプログラムディレクター(PD's)52名に、2019年に、レジデント面接で育児休暇情報が提示されているかどうかを確認するためのアンケートを実施した。医学生は2020年に別の調査を受け、その希望を確認した。回答の差異を評価するために、必要に応じてフィッシャー正確検定、ピアソンχ2検定、コクラン・アーミテージ検定を用いた。

結果:52名のPDのうち、27名が回答し(52%)、19名(70%)が、育児休暇に関する情報を候補者に提供していないと回答した。最も多い理由は、情報がrelevantでないと考えたからであった(n = 7; 37%)。医学生373名のうち、179名(48%)から回答があった。回答者の多く(92%)は、育児休暇に関する情報を正式に提示してほしいと考えており、多くの回答者は、育児休暇について質問するのは非常に気が引ける、もしくは多少気が引ける(68%)と考えていた。また、大多数(61%)は、これらのポリシーがプログラムのランキングに「多少」または「非常に」影響すると感じていた。

結論:育児休暇制度は、レジデント希望者の強い関心と研修先のランキングへの影響があるにもかかわらず、インタビュー対象者が容易に利用できない可能性がある。