医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Contributing to the hidden curriculum: exploring the role of residents and newly graduated physicians (Adv Health Sci Educ Theory Pract 2021)

MacNeil KA, Regehr G, Holmes CL. Contributing to the hidden curriculum: exploring the role of residents and newly graduated physicians. Adv Health Sci Educ Theory Pract. 2021 Nov 25. Epub ahead of print.

背景:hidden curriculumは、医学生の学習や継続的な医師のprofessional developmentに大きな影響を与えるものとして研究されてきた。これまでの研究では、hidden curriculumの「受け手」としての医学生の経験に焦点が当てられてきた。本研究では、レジデントと新卒医師が、hidden curriculumの積極的な参加者としての役割をどのように考えているかを調べた。

方法:解釈的現象学研究で、レジデントと新卒医師(n = 5)に個別の半構造化インタビューを行い、hidden curriculumを永続させるうえでの彼らの役割を検討した。また、reflexive approachを用いてテーマ分析を行った。

結果:その結果、レジデントと新卒医師は(a)自らのprofessional developmentのためにhidden curriculumを利用する、(b)他者がhidden curriculumを利用することに介入する、(c)教育を通じて次世代のためにhidden curriculumを修復しようとする、といった洞察が得られた。

結論:今回の調査結果を踏まえて、我々は以下のことを主張する。(a)初期キャリアの医師がどのようにしてhidden curriculumに関与しているのかを理解するためには、さらなる研究が必要である。(b)学生や教育者は、hidden curriculumに影響を与えるエージェンシーが社会文化的背景にどのように影響されるのかを考慮するよう支援されるべきである。