医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

A medical escape room to build intern workplace social capital in an internal medicine residency program (Med Teach 2021)

Lundholm MD, Simpson KP, Ozark L. A medical escape room to build intern workplace social capital in an internal medicine residency program. Med Teach. 2021 Nov 25:1-5. Epub ahead of print.

背景:研修生のウェルビーイングは、卒後医学教育において重要視されている。そのなかでも、職場の心理社会的環境は、職場のソーシャルキャピタルworkplace social capital; WSC)を構成する大きな要素となっている。WSCとは、集団のなかでどれだけお互いにつながっているかということを意味する。最近、Medical escape rooms(MERs)が様々な医療現場で研究されており、WSCを高めるための介入策の一つとして提案されている。

方法:本研究は、2021 年にLoyola University Medical Center で実施された単一施設での事前・事後調査研究であり、インターンのWSCに対するMERの効果を測定した。チーフレジデントが1時間のMERを作成した。WSCスコアは、有効なWSCスケールの修正版を用いて測定した。スコアの分析には、ペアのt-test分析とカイ二乗分析を用いた。また、自由形式のフィードバックも収集した。

結果:対象となるインターン52名のうち、51名(98%)がMERに参加し、41名(80%)が前後のアンケートに回答した。6つの調査項目すべてにおいて、MER後に肯定的な回答の割合が増加した。すべての参加者と質問の平均スコアは、事前調査では5点満点中4.66点、事後調査では4.90点だった(p < 0.001)。

結論:MERはレジデントのWSC スコアを大幅に改善し、我々のカリキュラムに貴重な付加価値をもたらした。