医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Medical Education e-Professionalism (MEeP) framework; from conception to development (Med Educ Online 2021)

Guraya SS, Guraya SY, Harkin DW, Ryan Á, Mat Nor MZB, Yusoff MSB. Medical Education e-Professionalism (MEeP) framework; from conception to development. Med Educ Online. 2021;26:1983926.

背景:医療プロフェッショナリズム教育は、忍耐力とprofessional integrityを発揮する、高潔で人間味のある医療従事者を育成することを目的としている。しかし、今日の医療は、医療行為がSNSやデジタル領域に向かって巨大な変化を遂げている。このようなパラダイムシフトは、医療従事者の価値観、行動、アイデンティティに疑問を投げかけ、個人生活と職業生活の明確な境界が曖昧になっている。本研究では、医療従事者がデジタル領域における医療専門性の課題に対処するためのフレームワークを開発することを目的としている。

方法:e-プロフェッショナリズムに関するフレームワークを開発するために、体系的なアプローチを行った。質的データは、システマティックレビューとデルファイ調査から収集し、量的データは、有効な質問票"social networking sites for medical education (snsme)"を実施して収集した。その後、選択したデータの分類と概念の特定、概念の解体とさらなる分類(philosophical triangulation)、概念の統合(theoretical triangulation)、概念の統合と再統合を行った。

結果:最初のプロセスでは、個人、職業、性格(暗黙的)、特性(明示的)の各領域から、環境、行動、能力、美徳、アイデンティティ、ミッションの6つの重複する概念が得られた。さらにデータの統合が行われ、ミッションへのコミットメントを中心とした医学教育のe-プロフェッショナリズム(medical education e-professionalism; meep)フレームワークが開発された。ミッションは、価値観(適合性、恩恵、普遍性、誠実性)、行動(コミュニケーション、自己認識、寛容、力)、アイデンティティ省察、良心、自己演出、自己実現)との深い関連性を示した。これらのデータは、すべての医療プロフェッショナルがSNS参加に関する最新の専門知識を必要としていることを示している。

結論:meepのフレームワークは、医療コミュニティによるミッションに基づく社会契約を認識している。このミッションは、専門家としての価値観、行動、アイデンティティによって大きく左右される。デジタル標準への準拠、説明責任、共感、感受性、社会へのコミットメントは、meepフレームワークの必須要素である。