医学教育研究者・総合診療医のブログ

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Developing Telemedicine Curriculum Competencies for Graduate Medical Education: Outcomes of a Modified Delphi Process (Acad Med 2021)

Hart A, Romney D, Sarin R, Mechanic O, Hertelendy AJ, Larson D, Rhone K, Sidel K, Voskanyan A, Ciottone GR. Developing Telemedicine Curriculum Competencies for Graduate Medical Education: Outcomes of a Modified Delphi Process. Acad Med. 2021 Oct 19. Epub ahead of print.

背景:遠隔医療の様々な定義や診療報酬の問題から、遠隔医療アプリケーションが遠隔医療という分野にまとまりはじめたのはごく最近のことである。このプロセスは、COVID-19パンデミックとそれに伴う遠隔医療提供の拡大によって加速された。本論文では、卒後医学教育における遠隔医療カリキュラムのためのコンピテンシー案を作成した。

方法:コンピテンシーのパネルを作成するために、修正デルファイ法を用いた。これには、2019年11月までの遠隔医療に関する文献の系統的なレビューを行い、初期コンピテンシー群を作成し、2020年1月に専門家のフォーカスグループで分析・編集した。初期コンピテンシーは、2020年4月から8月にかけて、コメントと評価を得るために、23人の専門家グループに3回のラウンドのアンケートを実施して配布された。少なくとも2回のラウンドで5点満点のリッカート尺度で4.0以上のスコアを得たコンピテンシーを推奨した。

結果:システマティックレビューに基づいて55のコンピテンシーが開発された。さらに専門家グループによって32のコンピテンシーが追加され、合計87のコンピテンシーが作成された。3回のラウンドの結果、34のコンピテンシーが推奨基準に達した。その内訳は、システムベースの実践能力が10項目、プロフェッショナリズムが7項目、患者ケアが6項目、実践に基づく学習と改善が4項目、対人関係とコミュニケーションスキルが4項目、医療知識が3項目であった。

結論:フォーカスグループおよび専門家パネルの調査で承認されたコンピテンシーの半数(17/34)は、システムベースの診療またはプロフェッショナリズムに関連するものであった。この2つの項目は、他の項目に比べて、遠隔医療と対面診療の間で大きな違いが見られた。著者らは、幅広い医療従事者のためのカリキュラム開発に利用可能で、利用可能な最良のエビデンスと専門家の意見に基づいた教育コンピテンシー案を提示している。