医学教育研究者・総合診療医のブログ

医学教育、総合診療について気ままに綴ります。

Changes to objective structured clinical examinations (OSCE) at Australian medical schools in response to the COVID-19 pandemic (Med Teach 2021)

Heal C, D'Souza K, Hall L, Smith J, Jones K; ACCLAiM collaboration. Changes to objective structured clinical examinations (OSCE) at Australian medical schools in response to the COVID-19 pandemic. Med Teach. 2021 Nov 11:1-7. Epub ahead of print.

背景:OSCE(Objective Structured Clinical Examinations)は、臨床技能の評価に用いられる。我々は、COVID-19パンデミックを受けて、オーストラリアのメディカルスクールで出口OSCE (exit OSCE)がどのように変化したかを調査した。

方法:ACCLAiM(Australian Collaboration for Clinical Assessment in Medicine)に加盟している12の適格なオーストラリアのメディカルスクールのlead ACCLAiM評価学識者が、45項目の半構造化オンラインアンケートを受けた。

結果:すべての学校(12/12)から回答があった。出口OSCEは、2019年に1校、2020年に3/11校が使用しなかった。残りの8校のうち、4校がステーション数と試験時間を減らした。OSCEの最小試験時間は、2019年の64分から2020年の54分に減少した。その他の変更点としては、完全オンラインの「e-OSCE」(n = 1)、ハイブリッド実施(n = 4)、患者との対面ビデオ(n = 3)、電話(n = 2)、患者と対面せずにスキルを完成させる(n = 3)などを用いたステーションが挙げられる。身体検査を伴うステーションの割合は、33%から17%に減少した。試験官の数も減り、大学教員が試験官を務める割合が高くなった。

結論:すべての学校がCOVID-19を受けて、2020年にOSCEを変更した。変更内容は、ステーション数の削減や実施方法の変更から、OSCEの廃止や完全な評価の再構築まで様々であった。OSCEの有効性と信頼性を維持しつつ、実施可能性のバランスを取るために、いくつかの革新的なOSCE実施方法が実施された。